「そもそもですが、ヨガとピラティスって何が違うんですか?」
今さら聞けない、ことではなく、興味を持った時に単純に浮かぶ疑問です。インストラクターも答えに迷うことがありますし、聞いてくださった方に合わせて答えを考えたりします。ここでは、ヨガとピラティス の違いをお伝えします。
【ヨガ】
ヨガは紀元前からの歴史があります。3000年などと言われます。 創始者は、もはや仮想の人物です。インドのパタンジャリという方?象徴?がヨガとアーユルヴェーダとサンスクリット語を作ったと言われています。
ヨガの語源は「ユジュ」といい「繋ぐ、結ぶ」という意味です。 ヨガの目的は「悟り」であり、「輪廻からの解脱」です。
その中で、真実を見通す力や苦しみをなくす方法が手に入り、それを現代ではストレスマネージメントや健康法として取り入れています。
古代文献は山ほどあり、様々な哲学的思想や実践法解釈があります。
指導者は本来出家者や聖人であり、一般市民が触れるようなものではありませんでした。
ヨガには論理的な部分と坐法や体操法、呼吸法、瞑想方があります。
利点には次のようなことがあります。
・苦しみを作る原因がわかるのでストレスを生まなくなる
・心身が鍛えられて強くなる
・感情や思い込みなどを客観的に捉え飲み込まれなくなる
・集中力や発想力がつく
・霊性や自己効力感が高まり生活の質が向上する
・副交感神経を特に高める方法が多い
【ピラティス】
ピラティスは、ジョセフ・H・ピラティスというドイツ人が約100年前に作りました。 そもそも考案者の名前です。
ピラティスはとってもシンプルに「健康体操」です。
Body-Mind-Spiritという言葉をジョセフ氏は残していますが、心や霊性というより元気になろうという感じです。
ジョセフ氏が悟っただの聖人になったなどということはありませんし、ピラティスは解脱を求めていません。
ジョセフ氏は西洋人ですから、ピラティスは西洋医学と親和性があります。
いわゆるエクササイズであり、体を強化し動き方を変えていきます。
彼は晩年、リハビリテーションにピラティス を取り入れて欲しいという思いで活動していたそうです。
残念ながらそれは彼の生前中には成し遂げられませんでしたが、現在でピラティスは1つのメソッドとして多くの医療施設で取り入れられています。
ピラティスを行うメリットは、
・姿勢が良くなり万病の予防に繋がる
・歩きやスポーツ動作など動きが効率的になり疲れにくくなる
・体に負担がかからなくなるので障害予防になる
・腰痛などの不調の改善
・交感神経を高めアップライト な状態を作る
ざっと見るとやはりヨガは心身、ピラティスは姿勢と動きという焦点の当て方が違うと思います。
〜中村尚人(株式会社P3 代表取締役)noteより引用〜
さて妊娠期間中の女性にはどちらをお勧めするでしょうか。
普通ならレッスンを重ねる毎に動きがスムーズになったり気づきを得たりしますが、妊娠中はその逆。どんどん体の負担が増えてくるし、妊婦検診での先生からの一言を思い出したり、お腹の赤ちゃんに元気よく蹴って呼ばれたり、上のようなメリットを得難いことも多いものです。
しかしレッスンを通して妊娠している女性同士が交流できることはとても貴重な体験ですし、妊娠中の自分と向き合う時間が作れたという思い出と自信になったと出産を終えたお母さんは聞かせてくれます。
やってみたい、楽しそうと思ったほうとしか言いようがないですが、妊娠期間中だからこそ、ヨガやピラティスの持つメリット以上のものも得られるような気がします。